塾講師ってどんな人たち?
開業以来、講師はパートのみで採用しています。歴代の講師は合計でざっと40名ほどになります。主に、教員採用待機者・子育てが一段落した主婦・県内の大学に通う学生…などです。雇われ塾長時代の講師は合計で20名ほどでしたが、そのうちの数名が私の塾に講師として来てくれました。
塾講師として来てくれた人たちは、本当に多種多様な個性の持ち主で…。時には苦労したこともありますが、総じてきちんと仕事をしてもらいました。
歴代の講師のなかで、私が選ぶワースト3・ベスト3は、いったいどんな人なのかご紹介いたします。
こんな講師は嫌だ(ワースト3)
- アルコール中毒者(40代男性)
元私立高校教諭。奥様は保険のセールスで成績優秀者なので、頭が上がらない状況か。
ふだんは大人しいが、酒が入ると「俺は時給1万円以上じゃないとやってられない。」などと豪語することがありました。
ストレスから逃がれるために酒を飲んだ状態で出勤してきたことも…。当時のオーナーの知人だったので、やめてもらうまで本当に大変でした。 - 生徒に無関心な薄情者(50代男性)
個人塾経営者。「自分の塾は、生徒が3名しかいなくなって、手が空いたので使ってほしい。」との申し出を受けて採用。長年塾経営をしてきたためか、指導での話しぶりは慣れている様子。
勤務開始から3か月後にボロが出ました。担当する生徒の保護者から「先生が、子供の勉強の様子を見ないで、隣で小説を読んでいる。」というクレーム。本人に確認したところ「たまにしか読んでないです。」って、何様だろうか?もう無理だと思い、即退職してもらうことに。 - 遅刻常習者(20代女性)
私が2教室の塾長をしているときに、常駐していない方の塾の事務員兼講師。午後3時の出勤に毎日のように遅刻して、タイムカードは押さず手書きでごまかす人でした。やるべきこともできないのに、自分の意見は堂々と言ってくるのです。
この人もそうですが…、管理者の目が届かないと仕事がしっかりとできない人は、かなり多いということが分かりました。悲しいかな約9割に上るでしょう。
この人は、塾を辞めて数年後、自分で個人塾を立ち上げましたが、3年で閉業したとのことです。やはり、保護者との信頼関係が作れなければ続きません。これで、塾経営は甘くないことが分かったでしょう。
こんな講師に助けられた(ベスト3)
- 教員待機者(20代女性)
国立大学の教育学部卒業。小学校の教員を目指す女性です。開業時の講師募集で一番最初に採用を決めた人です。お酒が好きで一匹狼的で媚びを売らない人で…、ちょっと男性っぽいところがあるのですが、仕事はきっちり丁寧にやってくれました。指導経験の無い中学理科も、一生懸命勉強して生徒にしっかりと指導してくれました。本当に感謝です。
国立大学卒業の人は、嫌な教科も勉強してきたせいか、本意ではないことにも真面目に取り組んでくれる人が多いということが分かりました。2年後、県外の小学校採用試験に合格。いい先生が辞める時は、本当に寂しいものです。 - 学校臨時勤務者(30代女性)
雇われ塾長時代の英語講師です。私が塾を開業したことを聞きつけて来てくれました。女性らしくて優しく丁寧な指導ができる先生です。女性にしては口数が少ないのですが、指導の際は常に熱心で、生徒からの信頼度も高く、とてもありがたい存在でした。
ところが、臨時勤務の学校の仕事が忙しくなり、体調を崩してしまい…。塾は夜なので継続は厳しいということで、約1年で辞めることになってしまいました。あのまま継続できていれば、人気の先生になっていたことでしょう。 - 英語専門学校の新卒者(20代女性)
地元に戻ってきたところ、知人の紹介で講師をお願いすることに。第一印象は、口角が上がり明るく可愛らしかったので、生徒の受けも良いはずだと直感しました。話し方も聞き取りやすく、人気の先生に成長してくれるだろうと感じていました。
活舌が良く歌も上手なので、「小学生の英語指導をやってみないか?」と打診したところ、ぜひやってみたいとのことなので、大手英語教室と提携して現在の学習塾の中に英語教室を開講。
この人にとって、英語講師は天職なのではないだろうかと感じていたのですが、その数年後に結婚・妊娠・退職。子供が生まれたら、すぐに塾に復帰したかったようですが、生まれてきた子がなんと双子の男子たちで…。子育てに手がかかり、講師復帰は無理な状況になってしまいました。 - 学校臨時勤務者(50代女性)
現在も講師として勤務してもらっている方で、今年で4年目になります。
とても朗らかな性格で、授業の合間に生徒に声を掛けたりしてくれます。この講師が居ると教室の雰囲気が明るくなります。生徒からも声を掛けやすいようで、とても人気の講師です。
塾講師を単なる仕事と割り切ってしまい、必要以上のことはしない人が多いのですが、この方は常に生徒のことをよく考えていて、生徒と一緒に成長することに喜びを感じてくれているようです。
子供たちも「この講師から勉強を教えてもらいたいな~。」と、感じていることでしょう。
できるだけ長く続けてもらえますように…。