驚異的な進歩を遂げてくれた生徒
- W.Aさん(通塾期間:小2~中3)
この子は、算数の理解が心配とのことで入塾。生まれた時は体重が約500g。超低体重の未熟児でしばらくICUで育てられたという子です。教室でパイプ椅子に座ると床に足が届かないくらい小さな子でした。
授業では、1桁の整数の足し算からスタート。繰り上がりがある計算では指を折りながら数えて、かなりの時間が必要でした。発達が遅れているところがあり、小学校時代は少しだけ進歩したかな、という感じ。ところが、中学に入った頃は体も大きくなり、数の大小の認識ができるようになってきて、正負の数もだいたい分かるようになってきて…。しばらくの間、定期テストは20点~40点でしたが、中3の最初の定期テストはなんと80点台に。本当に嬉しくて、思わずテスト答案を写真に撮ってしまいました。
生まれつきハンデのある子でも、時間をかけてじっくりと取り組めば、成長できるということを証明してくれました。結果、彼女は地元の公立高校(学力は平均レベル)に見事合格!これからも、きっと強く生きていけることを確信して、塾を卒業することになりました。 - Y.Yくん(通塾期間:小4~高2)
入塾当初、学校の成績が比較的上位で、基本的なことはすぐに理解できる子でした。算数の計算力もまずまずです。よくあることですが、文章題になると、行き詰まってしまうことがあり…。ただ、諦めずに考える姿勢を持っていました。
解き方の糸口を与えると解ける問題が増えてきた、ある日のことですが、いつものように「ヒントあげようか?」と聞くと、「いや、ちょっと待って。考える。」との返答。これは、スイッチが入ったなと感じたので、見守っていると、少し時間はかかったけど諦めず自力で解いてみせました。
これ以降、彼は考える問題に直面するたびに、アドレナリンが出まくっている様子で、みるみる学力が上がり、小学卒業時には学年トップレベルになっていました。ライバルだった子は別の中学に進学したので、彼の中学時代はぶっちぎりの学年トップ街道でした。高校は、県内トップ校に見事合格!高1~高2の間は、数学の先取り授業で通い続けてくれました。
勉強の本質ともいえる「考える楽しさ」を実感した子は、集中力が伴えばハイスピードで成長することを実証してくれました。
実力テストで数学0点の生徒たち
算数や数学は、生徒が最も好きな教科で1位、最も嫌いな教科も1位。好き嫌いが分かれてしまう教科のようです。好きか嫌いかの分岐点は小4の頃だと思います。この辺りから、分数も出てきて、一般的な保護者は教えることが難しくなります。
嫌いになってしまうと、自力で解決して好きになるということは、まず無いでしょう。なので、中学入学後は更に分からなくなって、授業中はお客さん状態に。中学時代、勉強の楽しさを味わうことなく過ごしてしまっている子は、意外と多いと思います。
このような生徒たちも、中3に進級すれば高校受験が避けては通れないと考え始めます。それで、本人もやっと覚悟ができて塾に来るというパターンです。入塾の面談で、実力テスト結果を持参してもらうようにしていますが、いままで数学0点の答案を持参した生徒は、ここ10年間で5名ほどいます。
20年前に比べると、勉強が全く分からなくなっている子の割合が明らかに増えています。4年~5年もの長い間、分からない授業を受け続けている生徒は、何か得られるものがあったのでしょうか。
教育のしくみを見直すような話は出てはいても、実際に変わるのはかなり先のことでしょう。教育者は、生徒たちの成長の芽を摘んでしまっていると感じている人も多いと思います。この状態が続けば、自らすすんで勉強する子以外は、伸びる可能性があるとは考えにくいでしょう。